アカウミガメ産卵場所~高知海岸堤防改良~

2016年8月14日

ジャイロプレス工法による鋼管杭施工

高知海岸堤防改良工事は、今後予想される南海トラフを震源とする地震・津波に対し、堤防耐震・液状化対策として、現堤防に鋼管杭を圧入し海岸堤防を改良します。鋼管杭はジャイロプレス工法で施工され、自立壁としての作用により堤防の沈下・変形を抑制します。
 ジャイロプレス工法は ①鋼管杭を回転圧入による貫入 ②無排土・無振動・無騒音の施工が可能 ③狭い空間内での作業が可能 の特徴があります。
 工事個所が海岸線の現道沿いであることや、近接する県道14号春野赤岡線、桂浜や仁淀川等の観光名所により交通量が多くなることなど、各現場作業では交通災害の防止に配慮しました。(澤口、岸、戸谷)
 当社施工は、東戸原東地区、西戸原西地区、長浜東地区の3か所となり、平成26年から平成28年3月までの間で施工しました。
 

 
 

各現場からの一言

高知海岸堤防改良Ⅰ工事

 鋼管杭施工の1本目から、圧入箇所に支障物があり嫌な予感がしました。特にコンクリート護岸箇所の先行削孔では、撤去したコンクリート(φ800mm、L=3.50m)の重量が4.1tで、先行杭と合わせると最大11tの重量をクローラークレーンで慎重に吊上げなければならす、かなりの時間を要しました。79本目からは順調に施工でき、ホットしたことを思い出します。(澤口)
 他工区が同時に施工したため、打ち合わせや調整が大変でした。
              
 

高知海岸堤防改良Ⅱ工事

 当工区は同時期に発注された6工区で特に波が高くなる工区であり、工事開始前に上陸した台風12号では、波が堤防を越え道路に被っていました。当時のテレビ中継で放映された場所です。  
 その中で海岸に異形ブロック、袋詰玉石を設置し作業ヤードを造成していくのですが、波が高くなると作業ができず、作業ヤードの造成が大幅に遅れてしまいました。作業ヤード完成後、高波の際には、重機、資材を避難させるなどの措置を行い、ヤードの陥没、異形ブロックの沈下、亀裂などが見られたので日々の点検には細心の注意を払いました。

            

高知海岸堤防改良Ⅲ工事

 海岸沿いに施工ヤードを設置して作業を行うため、波浪及び台風時期に備えて避難退避場所を明確にしました。また、資機材の流出等が無いように工夫しました。 
            

施工状況

 写真は高知海岸堤防改良Ⅰ工事







     
 

アカウミガメ救出

高知海岸は『うみがめの産卵場また所』で、現場付近はアカウミガメの自然保護区域になっています。高知海岸堤防改良Ⅰ工事では、消波ブロックに乗り上げて動けなくなっているアカウミガメを救出しました。このアカウミガメはタグ付きの産卵常連だったそうです。
 体長約90㎝、幅約70㎝、重さ100㎏程のカメを大人4人でやっとのことで持ち上げ、早朝の発見から約15分で無事救出に成功、アカウミガメはゆっくりと海に帰っていきました。当日の高知新聞 夕刊に掲載されました。

救出作戦参加者

 四国地方整備局 高知海岸出張所 森田さん
 「春野の自然を守る会」     熊沢会長
 久武クレーン          片山さん
 当社               澤口、石本、佐竹


赤ちゃんカメの放流

無事にふ化したアカウミガメたちの赤ちゃんは地元の住民の方たちによって放流されました。またいつかこの高知海岸に戻ってきて卵を産んでもらいたいですね♪