特許取得のTNF工法で工期短縮と高品質を実現~テイ・エス テック株式会社埼玉工場技術棟新築等工事~

2025年10月15日



工事概要

工事名称:テイ・エス テック株式会社埼玉工場技術棟新築等工事
所在地 :埼玉県行田市野3600番地
工  期:2024年11月1日~2025年8月31日
発注者 :テイ・エス テック株式会社埼玉工場
設計監理:岩田地崎建設株式会社東京支店
施  工:岩田地崎建設株式会社東京支店
建物用途:工場兼事務所
構造規模:鉄骨造 地上2階建
敷地面積:78,836.54㎡ 
建築面積:2,866.75㎡
延床面積:4,189.1㎡  
建物高さ:9.985m

 1F エントランス

 1F 設備製造ラボ

今回の工事で特徴的な部分や建物の紹介

 本工事は、埼玉県行田市にあるテイ・エス テック埼玉工場の敷地内での工場兼事務所の建設工事です。工場の廻りは駅から離れており、緑豊かな田園風景が広がるのどかな環境です。また敷地の横を上越新幹線が通っていて頻繁に新幹線が往来しています。
 今回の工事で特徴的だったのは、基礎工事に於いてTNF工法を採用した点です。通常の基礎工事に比べて工期の短縮、工種が少ない、地盤保証の適用等、いくつかのメリットがありますが、最大の利点は工期短縮が可能となり工期内での引渡しを達成できたことです。この工法は特許取得ということもあり、施工時はTS様の各工場の幹部の方々をお招きし、現場見学会も開催しました。
 当社をはじめ皆様方も初めての工法ということで興味深く見学されていました。

 TNF見学会(木杭打設見学)  

 TNF工法(セメント攪拌状況①) 

 TNF工法(セメント攪拌状況②)

施工や安全管理で工夫したこと

 工場の敷地内での工事でしたが、冬場は廻りに高い建物がないこともあり、強風が頻発するとTS様からもご指摘がありました。そのため外部足場の飛散防止対策として、通常の細かいメッシュシートではなく網目の大きいメッシュシートを採用しました。今回は外壁仕上げで塗料や飛散性が高いものは使用しなかったので、この対策が可能でした。また、安全鋼鈑に関しても通常の高さ3mではなく少しでも風の影響を防ぐため高さ2mの安全鋼鈑を使用しました。幸いにも敷地内は24時間警備で防犯性に関しては特に問題はありませんでした。

 2F 評価室

 屋根上撮影(外構施工中)

一番難しかった、苦労したという工程

 11月5日工事着工を目前に、ようやく確認申請が受理され、何とか予定していた地盤改良工事に着手することができました。もし確認申請の受理がずれていたら契約工期内の引き渡しに間に合わない事態も懸念されました。その後、地盤改良工事、TNF工事、鉄骨工事と順調に進んできましたが、内装工事に入る段階での追加変更等に対する工程の組直しや技術棟の実施部署の方々からの要望、変更事項が多々あり、その対応、段取り替えなどに苦労しましたが無事契約工期内に引渡しを達成することができました。

DXへの取り組み

 今回は杭工法ではなく、TNF(地盤改良)を行い、工期短縮ができ、BIMを活用することで、最終掘削状況を職員と情報共有し、他職との影響のない位置に仮置きするなどスムーズに現場を進めることができました。
 鉄骨工事でも鉄骨業者がBIMを活用しており、そのデーターをもとに鉄骨と多部材との取り合いを事前に検討。問題となりそうな箇所やイメージが困難な場所をBIMを活用し、理解を深め、リスクを回避しながら手戻りなく工事を進めることができました。
 施主との打合せにもBIMを活用し、理解を得ることでスムーズな進行が可能となり、施主側内部でもその資料をもとに他部署との事前打合せにBIMを活用していただき、時間のロスがなく変更等も軽減されました。
 BIMを活用した打合せは理解のスピードも早く変更や手戻りも少なくなりました。
 また、工事が進むにつれて実際のイメージとの違和感が生じ、変更依頼等が発生するなど工程にも影響してくるケースもあるのでBIM活用の重要性を改めて実感しました。

 TNF施工範囲完了状態

 鉄鋼BIM
 

 内部建屋検証資料
  
 建屋鉄骨 内部建屋鉄鋼検証資料(接触箇所発見資料)

働き方改革への取り組み

 今回の本工事の工事期間中、新築工事とは別に改修工事も並行して行われました。改修工事は工場が通常通り稼働している中での工事であったため、土、日曜日に限定される作業もあり週休2日の閉所はできませんでしたが職員は交代で平日に振替休日をとり調整を行い週休2日の休みを確保しました。

 関係者への感謝の言葉

今回の工事は昨年11月に着工し、今年の8月28日に引渡しと非常にタイトなスケジュールでしたが、発注者であるPJチームの皆様の多大なるご協力と東京支店の関係各位の皆様のご支援、そして現場内でも協力業者および職員が一丸となって取り組んだ結果、工期内に無事故無災害で竣工、引渡しを達成することができました。心より感謝申し上げます。引渡しの際、発注者の皆様方の喜ぶ姿を拝見し、改めて今回の工事に携わったことを嬉しく思いました。