くの字に折れ曲がった新校舎 ~江別第一中学校改築工事~

2016年8月5日

人が輝く共生のまち

江別市は、広大な石狩平野の中央に位置し 「石狩川」流域の豊かな自然に恵まれ、隣接する札幌市のベットタウンとして「人が輝く共生のまち」づくりを目指して発展しています。市内の南西部には平地原生林が残る野幌運動公園を始めとする多くの公園があるほか、道立図書館を始め、大学・高校・各研究施設があり、この地域は文教地区に指定され周辺の環境が保護されています。
 また、江別市には120年以上もの窯業の歴史があり、「江別れんが」は北海道遺産に選ばれています。市内にはれんが建造物が多数あり、小学校やサイロ、民家など400棟以上が現存しています。生産量は国内の20%以上となり日本有数の生産地となっています。

 

れんがを使用したユニークな扇形の旧校舎

江別第一中学校は、昭和22年5月に新制中学校として開校し、平成27年(改築工事完成年)で69年目を迎えます。校舎は昭和27年に新築され、文部省のモデルスクールとして当時全国に紹介されました。白樺並木に包まれた広い前庭を有し、校舎外壁には江別市の特産であるレンガを使用し、扇形に広がる二階建てのユニークな校舎でした。

開放感あふれる新校舎

新築した江別第一中学校は、生徒玄関を進むと大規模なアトリウムが3階の天井まで広がり、開放感あふれる学校になっています。くの字に折れ曲がった新校舎の形状は、旧校舎からの思いが反映されております。地上3階建て、延床面積6,347m、3学年分で15教室、特別支援教室が2教室となっています。

近すぎる工事

 新校舎の建設位置が既設校舎に近接していたため、現場はまる見えの状況でした。最短距離は足場から教室まで50㎝程度となっていることもあり、音の問題に気を配りながらの施工となりました。特にテスト期間中には作業を一旦中止するなどで対応しました。一方、普段は見ることができないような仕事を毎日目にして、建築に興味を持ってくれた生徒さんが沢山いることを知りました。このことから工事半ばの3月11日には現場見学会を開催し、生徒60名程度が参加してくれました。生徒さんの多くは、壁も天井もコンクリート剥き出しの状態を見て興味津々の様子でした。後日先生からお聞きした話しによると、今回の見学がきっかけで将来建築系の大学に進みたいと言っていた生徒さんがいたようでした。若い人達に共感を得られたことはうれしいことです。

大雨による断水

平成26年9月11日の大雨の影響により、江別地方では翌朝断水となりました。現場では水を使用する杭工事を行っていたため、アジテーター車を使用した給水対策をとっていました。近隣住宅、学校への水の供給がされていないことを知り、急遽、給水車を手配して給水活動を行いました。お年寄りの住宅には若手社員がバケツで家まで運ぶお手伝いをしました。この活動により、後日江別市水道部から感謝状をいただくことになりました。

 

工事を終えて

 平成26年6月に工事開始してから平成27年8月10日に工事引渡しを行い、お盆明けの8月17日から新校舎での授業が始まりました。無事完成することができたのは、発注者、中学校関係者各位のご指導、ご協力と工事に携わった職員、関係各社の努力によることと思っています。本当にありがとうございました。(長谷川)
 

完成写真






施工状況